子どもの頃に何かと通院することが多くて、病院が身近な存在だったこともあり、地元で医療事務員をしたいと思っていました。なぜ事務員かというと、人と話すのが少し苦手だったからです。医療事務員になることを考えて、高校卒業後に盛岡カレッジオブビジネス専門学校の総合ビジネス科メディカルアシスタントコースに進みました。
就職活動の時期になると、色々な会社の説明会に参加したり、求人募集を見ていたのですが、気になったのが岩手県交通でした。当時、仙台で働いている姉に会うために、高速バスの花巻―仙台線「けんじライナー」をよく利用していました。その時の乗務員さんの振る舞いが素敵だなと感じていて、興味を持つようになったのです。
岩手県交通には、専門学校で1学年上の仲の良い先輩が入社していて、「会社の雰囲気が良いし、専門学校で学んだことを活かせるよ。それに女性社員も多いよ」と勧めてくれました。それも後押しになり、志望することを決めました。
2018年の10月に内定をいただき、2019年4月から北上営業所に勤務しています。
地元の花巻から近い営業所を希望していたのですが、それを叶えていただきました。今は実家から自家用車で通っています。でも、事務員の異動もあるのだそうです。
現在の仕事内容は、大きく分けて4種類です。
@ | 電話応対や定期券・バスカード・高速バス乗車券販売の窓口業務。 |
A | 路線バスや貸切バスの走行距離を集計しパソコンに入力する作業や1日のバス運賃の精算などの一般事務業務。 |
B | 夜行高速バスの予約受付け業務。専用の予約システムを使用します。 繁忙期の増便計画を立てる際は、私が先輩に報告した予約状況と過去の利用データを参考にして増便を出すか出さないか判断してもらうこともあります。 |
C | その他、お祭りやお盆の時期など交通規制でバスが特別運行する際は、お知らせを作成してバス停への掲示、はく離等、屋外での作業も行います。 |
北上営業所には女性事務員が私を含め3名いて、先輩と一緒に働いています。
おおまかですが、1日の仕事の流れも紹介します。勤務時間には3つのパターンがありますが、その中から1つのパターンの仕事の流れをお伝えします。
勤務時間は8時30分から16時50分です。
8時30分 | 北上営業所と花巻営業所の前日の売り上げを精算。※1時間〜2時間 |
9時00分 | 乗車券窓口及び夜行高速バスの予約窓口をオープン。 |
11時00分 | 貸切バスの走行キロを集計してシステムに入力。 |
12時00分 | お昼休み。私は自分で作ったお弁当を食べています。※1時間 |
13時00分 | 胆江営業所の売り上げの精算。(2日に1回)※1時間 |
15時00分 | 仙台線のチケットの精算と人員表の入力。北上市の「おでかけ券」の仕分け・整理。 貸切バスの走行キロの入力。また、その他作業。 |
◎電話応対、乗車券販売窓口の対応や高速バスの予約受付は並行作業します。 |
入社から半年くらいですが、働きやすい職場と感じています。北上営業所は優しい先輩ばかりで、私がミスをしてもすぐにフォローしてくださいます。その度に、早く成長しなければと思います。
電話応対は、最初の頃は緊張してなかなか出られませんでした。少しずつ慣れてきて、7月頃には聞かれたことにすぐ応えられるようになってきました。電話では明るく話すように、そして相手の気持ちを考えるように心がけています。
まだまだわからないこともありますが、ひとつひとつをしっかり覚えて、自分から率先して取り組んでいきたいと思っています。そして、どこの営業所に行っても何でもできるようになり、会社にとって必要とされる人になりたいです。
取材時に、板垣さんが1冊のノートを見せてくれました。それは、オリジナルの仕事用ノートで、その日やるべきことや電話での言い回し、仕事の手順、気づいたことなどを書きこんでいるのだそうです。入社してから毎日書き続けて、半年足らずで既に10冊近くになっていました。
そんな板垣さんの働きぶりに、同じく事務員の坂内朋子さんは、「真面目で一生懸命。このままの姿勢で頑張ってほしいです」とエールを送ります。
バス会社というと、男性の職場というイメージがあるかもしれませんが、女性事務員が多数活躍しています。事務職に興味のある学生さんに、選択肢のひとつとしておすすめします。
板垣 結衣 (いたがき ゆい)
1998年生まれ。花巻市出身。
花巻南高校卒業後、盛岡カレッジオブビジネス専門学校の総合ビジネス科に進学。2019年4月、岩手県交通に入社。
現在、事務員として北上営業所に勤務。
休日は地元の友だちや専門学校時代の友だちに会い、食事やカラオケを楽しむ。